わが動的平衡とレジリエンスの思索日記

直腸がん、C型肝炎が完治し、これからが今までを決める、、という身の処し方を綴る
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写真「焼き場に立つ少年」と青木新門さんのこと

青木新門さんの「納棺夫日記」の中で、
青木さんが8歳で終戦を迎えたとき、満州の難民収容所で、
妹と弟の死骸を多くの死体が積んである所に捨ててきた話が出てくる。

読んだ瞬間、米国の従軍カメラマンのジョー・オダネル氏が長崎でとった
「焼き場に立つ少年」の写真が浮かんだ。

青木新門さんとその少年が重なったのだ。

焼き場に立つ少年

オダネル氏の回顧では、、

佐世保から長崎に入った私は、小高い丘の上から下を眺め
ていました。すると白いマスクをかけた男達が目に入りました。男達は60センチ程の深さに
えぐった穴のそばで作業をしていました。荷車に山積みにした死体を石灰の燃える穴の中に
次々と入れていたのです。

10歳ぐらいの少年が歩いてくるのが目に留まりました。おんぶひもをたすきにかけて、
幼子を背中に背負っています。弟や妹をおんぶしたまま、広っぱで遊んでいる子供の姿は
当時の日本でよく目にする光景でした。しかし、この少年の様子ははっきりと違っています。
重大な目的を持ってこの焼き場にやってきたという強い意志が感じられました。
しかも裸足です。少年は焼き場のふちまで来ると、硬い表情で目を凝らして立ち尽くしています。
背中の赤ん坊はぐっすり眠っているのか、首を後ろにのけぞらせたままです。

少年は焼き場のふちに、5分か10分も立っていたでしょうか。白いマスクの男達がおもむろに
近づき、ゆっくりとおんぶひもを解き始めました。この時私は、背中の幼子が既に死んでいる事に
初めて気付いたのです。男達は幼子の手と足を持つとゆっくりと葬るように、
焼き場の熱い灰の上に横たえました。

まず幼い肉体が火に溶けるジューという音がしました。それからまばゆい程の炎がさっと舞い立ちました。
真っ赤な夕日のような炎は、直立不動の少年のまだあどけない頬を赤く照らしました。
その時です、炎を食い入るように見つめる少年の唇に血がにじんでいるのに気が付いたのは。
少年があまりきつく噛み締めている為、唇の血は流れる事もなく、ただ少年の下唇に赤くにじんでいました。
夕日のような炎が静まると、少年はくるりときびすを返し、沈黙のまま焼き場を去っていきました。
(インタビュー・上田勢子)


すると、青木さんはあるとき、この写真に邂逅されていた。

その文章を読んだとき、やはりそうだったかと思い、、胸がジーンとなった。

『「納棺夫日記」を著して』という中で「焼き場に立つ少年」のことを、こう書かれている。

今朝私は、新聞に載ったある写真が眼に入った瞬間、全身に震えがきた。
震える手でその写真を切り抜くと、何かに突き動かされたように家を出て、
記事にあった写真展の会場に向かった。

会場に入った瞬間、新聞に載った写真が眼に入った。その写真に引き寄せられ、
順路を無視して近づくと、万感胸に迫って、いつまでもその場に立ちすくんでいた。

写真に添えられたオダネル氏の言葉を読むうちに、私の頬に涙が流れた。
私が旧満州で、弟の死体をくすぶっている石炭の上に置いてきたのは、8歳であった。
写真の少年も同年のように見える。

弟の死体を背負った少年の直立不動の凛々しい姿の中に、戦争の悲惨さや人間の悲しみが全てあるように思えた。

少年の日の原体験は、その人の生涯を通じて深い影響を及ぼすという。
私が納棺の仕事を選んだのも、弟の死体を焼き場に置いて、直立不動のまま
下唇をぎゅっと噛んで見上げた空が、妙に明るく澄んでいた所為だったのかもしれない。



青木さんは、納棺のお仕事を宿命としてになわれた、ということなのだろう。

今朝の体重は61.1㎏、体温は36.6度だった。
右手首の痛みは、左手でもみ続けているせいか、少し緩和された。

 

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