わが動的平衡とレジリエンスの思索日記

直腸がん、C型肝炎が完治し、これからが今までを決める、、という身の処し方を綴る
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感想「人間の建設」

15日(日)16:50、豊玉リサイクルセンターのテーブルで、岡潔と小林秀雄の対談本「人間の建設」(新潮文庫)を読了した。

借り本だから、図書館に返さねばならない。また読みたくなったら、買うことにしよう。なので、今は雑感を掲げておきたい。

1.本の題名は、おそらく二人が出したものではなく、対談を企画した新潮の編集者が名前をつけた、と思うが、いいタイトルだ。

2.読むというより、対談話を聞いてる感じで、読後、心地よい余韻が残った。ずっと二人の語らいが続いている感覚になるのだ。互いの目線はフラットで、互いにリスペクトしあっているのがわかる。

3.さまざまなことが語られているが、一番響いたのは、天才数学者である岡潔の、次の言葉だった。言葉に強度があった。二人の対話をそのまんま載せると、、

44頁 
岡潔『そこをあからさまに言うためには、どうしても世界の知力が下がってきていることを書かなければなりません。さしさわりあることですが。
数学の論文を読みましても、あるいは音楽を聴き、ごくまれに小説を読みましても、下がっているとしか思えない。それにいろいろな社会現象にしても、だんだん明らかな矛盾に気づかなくなって議論している』

小林秀雄『間違いがわからないのです』
 
岡潔『情緒というものは、人本然のもので、それに従っていれば、自分で人類を滅ぼしてしまうような間違いは起きないのです。現在の状態では、それをやりかねないと思うのです』

小林秀雄『ベルグソンの、時間についての考えの根底は、あなたのおっしゃる感情にあるのです

岡潔『私もそう思います。時間といものは、強いてそれが何であるかといえば、情緒の一種だというのが、一番近いと思います。

以上だが、二人の対話には「客観」「主観」という言葉は、一切出てこない。

以下、断想の端々を、、

岡潔は、「小我」「無明」という言葉を多用されていたが、わたしはその言葉を、母校創立者池田先生から、おそわった。とりわけ「無明」は1974年11月に、直接face to faceでおそわった。信心の骨格になっている。

時間を知る。定義するのは難しいが、ベルグソンは果敢に挑み、珠玉の足跡を残してくれた。

時間を知るのは、頭ではなく、わが全身であると見ている。そこに、緊縛、足かせをはめてはならない。

病気は、その病名の共同幻想であって、本来は病いになった人が、個々におられだけであって、その方は直ちに「時間」の縁(ふち)に立ち、固有のナラティブが生まれる、とわかる。たとえ、難病と国がみなしても、それに囚われるのは小我にすぎない、勘違いと見切ろう。

よくよく吟味すれば、病を見つめる健全な大我は、必ず、現れてくる。四半期罹患していたC型肝炎、当初は都の難病指定で助成対象であったが、その後、助成ははずされ、平行して、その治療方法の変容ぶりは著しかった。なので、C型肝炎の時間軸を総覧して、吉本隆明の言葉を勝手に引用するのだが、病名は共同幻想の撒き餌、と感じるわけだ。

遠い昔、よく周囲から「情緒不安定」と言われたことがあったな、、

岡潔は、シンガポールの海辺にたったときに、その夜景をみて、なんともいえない懐かしさにとらわれたという。「春宵十話」の冒頭に出ていたかな、、

「時間は情緒に近い感情にある」というのは、わが生活のヒントになった。

もとより時計は、時間を計量するという形で、空間化したもので、時間そのものではない。

例えば、スポーツ選手がZONEに入るという情況があるが、そうしたときの感情が時間なのではないか、、

私たちの場合、それは、つまり時間という感情は、、題目を唱え続けているときに、忽然と、現れてくるのだ。そうして時間の経過を感じない状態になったとき、私たちは一人ももれなく、時間の中に入る。法華経こそ、情緒の深きところに流れているからだ。しかも、それは共同幻想ではない。

追記4/22
岡潔の晩年の主張は超高次元の理想である真善美妙を大切にせよというもので、真には知、善には意、美には情が対応し、それらを妙が統括し智が対応すると述べた。一方で日本民族は人類の中でもとりわけ情の民族であるため、根本は情であるべきとも語った。また日本民族は知が不得手であるため、西洋的なインスピレーションより東洋的な情操・情緒を大切にすることで分別智と無差別智の働きにより知を身につけるべきと提唱している。さらに現代日本は自他弁別本能・理性主義・合理主義・物質主義・共産主義などにより「汚染されている」と警鐘を鳴らし、これらを無明と位置付け、心の彩りを神代調に戻し生命の喜びを感じることで無限に捨てるべきと述べた

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