わが動的平衡とレジリエンスの思索日記

直腸がん、C型肝炎が完治し、これからが今までを決める、、という身の処し方を綴る
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西部邁著「友情」

1月21日に「自裁」した西部邁さんのことが、今なお、気になっている。私と似たような思いの人は、少くないようで、図書館にある「生と死」という著書は貸出中で、待たなければならない。

今まで西部さんの著書は一つも読んだことはなかったが、西部さんの動画を見続けていて、「友情」という、ヤクザの友人のことを書いた本があることを知り、、図書館で借りることができた。

感動した。西部さんの誠実な人柄が染み入るのだ。少し、涙した。

そうか、、私にとって西部邁さんはフランスの哲学者アランのような存在だったのだ。動的な平衡感覚をもって言葉を定義する人という意味だ。

たしかに日本の核保有とか、賛同できない主張もあるが、西部さんのように、黒板を使い、言葉の淵原を丁寧に話される論者は、もう、いないのではないか、、そう思えるのだ。
  
「友情」の副題は「ある半チョッパリとの四十五年」とある。説明書きには、こうある。

BC級戦犯として処刑された朝鮮人の父と、家族のため苦界に身を沈めた母との間に生まれた彼は、最も感動に値する男だった。ところが、著者との交友が45年余りに及んだとき、彼は著者に厖大な手記を遺して自裁する。敗戦期からバブル崩壊以後に至る時代の激変の中で、変わることのなかった「友情」の歴史とその終焉を、痛切な哀歓を交えて描き切った自伝的長編評論。と、、なんか決定的言葉が欠けている。

友人と西部さんは、全くフラットな関係であり、ご自分で精神的同性愛と何度か評されているが、、最期までそうだったのではないかな、、

今しがた、新たに借りた西部邁著「福沢諭吉」の冒頭を読んで、「友情」の通奏低音がわかった。

二人、海野という友人も西部邁さんも、属性をもたない人生、境界人間(マージナルマン)のまま、境界の稜線をひたすら最期まで、走り続けて、今生から去って行ったのだ、、とわたしは思った。


追記、Amazonのレビューの中に、海野さんの娘さんらしき方がコメントされていた。いわゆる「なりすまし」とは思えなかった。
我が身にひきよせ、おきかえて思ったが、、
子どもにできることは、親の、親たちの苦しみを、一心に受けとめる、それしかできない。
仮に「なりすまし」をしたして、何の意味があるのか、、なので、以下に掲げておきたい。

カスタマーレビュー 5つ星のうち1.0
私の父、海野治夫・・・
投稿者k2006年1月20日

この本の評価はできません。でも評価をしないとレビューに載せられないので・・・。0と解釈してくださいね。私は海野の一人娘ですから・・・。父が幼少から悲惨だった事は母から聞いていましたが、本を読み、ここまで・・・と、未だに涙します。この本は父が獄中から親友の西部先生に送った原稿を先生がかなりの日数をかけ、まとめてくれたものです。先生は母と私をずーっと探し続けてくれていたそうです。そしてこの本を一番に送ってくださいました。父は本当に頭のいい人で大学へ行き、ハエの研究をしたかったらしいです。運命って悲しいですね・・・。読んでくださった方の評価は人それぞれなので気にはなりません。父のルーツ探し、自分は何者なのか?それは私のルーツでもあり、朝鮮の血が混じってる事に戸惑いを感じましたが、それを否定したいという事は父やおじいちゃんを否定する事にも。おばあちゃんが娼婦だった事も同じで、かなり私を悩ませました。が、何度も読み、今でも涙が止まらないおばあちゃんの苦しみ。父の人生、受け止められるようになりました。そんな時代でもあったんですね。父が自殺したとしり、対面した時には、私を置いてなんで!!!と責めていました。事務所の方には遺書があったのに、私には何もなかったから余計です。愛されていなかったのか・・・と。でも、獄中で死を決意した父は私への遺書として書いていてくれたんですね。嬉しかった!誰がどう思おうと、私は父を尊敬し、愛してます。いつまでもいつまでも・・・。本を読んでくださった方、ありがとうございました。娘Kより


この感想を読んでいて、芥川龍之介の短編小説「おぎん」を連想した。江戸時代のキリシタン禁制下、ひたすら親を思う童女の話だ。

このあと今一度、読み終えたら、「友情」の中で心に響いた文章を徐々に掲げておきたい。

西部さんは
自分自身についてゆるぎなく思うことがある、として、、
1.感情の核心は、幼少期に創られる。

2.感情の核心が論理のあり方を定める。
論理には前提(出発点)、枠組(構成をまとめる)、方向(発表を促す)からなり、感情の核心に呼応することで、納得が生まれる。

3.繰り返し想起される記憶は、安定した論理によって再表現される。

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