折れない心=レジリエンス日記「これからが今までを決める」1991年から25年にわたるC型肝炎と乾癬の闘病を、そして2010年の直腸がんをと、その三病を完治させた楽観主義者の自立ノート

身体「毎日1兆が生滅する60兆の細胞」の司令塔こそ、究極の主治医と見なして、アッパレ!100歳をめざし三病息災・健康長寿をもくろむ、具体の内部生命論です★
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米国、覚醒剤を精製する高校教師のTVドラマ

昨日、清原和博さんは保釈になったようだが、覚せい剤常習の危険は払拭できるだろうか、再犯にならねばいいが。足を踏み外すことを、スラングでブレイキングバッドというらしい。少し前に、アメリカで大人気のドラマシリーズ「ブレイキング・バッド」について、以下に町山智浩さんの解説を載せておきたい。考えさせられる。

1.ブレイキング・バッドっていうんですけど、これね、スラングでね、『道を踏み外す』『悪いことをしちゃう』っていう意味らしいんですね。でね、これね、エミー賞っていう賞があって。アメリカのテレビで、どういう話かっていうと、すごく真面目な高校の先生が覚醒剤の密造をするっていう話なんですよ。連続ドラマでずっとやってたんですよ。

2.これね、ニューメキシコっていうちょっと田舎の砂漠の方があってですね。そこのアルバカーキっていう街に住んでいる高校教師が50歳になるんですけども。主人公、ウォルト・ホワイトっていう人なんですけど。『末期ガンです』って宣告されちゃうんです。医者から。ところが、アメリカの公立学校の先生ってものすごく給料が安いんですね。

3.だからお金が全然ないんです。50歳になっても。しかも息子さんは脳性麻痺ですごい重い障害があって。頭はいいんだけど、体が動かないから職業が限定されるんですね。だからやっぱりいい大学に入れてあげたいわけですよ。でもアメリカって1人の子供を生まれてから大学に入れるまでにかかる食費とか生活費とか学費とかの全部の合計が2000万円ぐらいになっちゃってるんですよ。アメリカって今。

4.異常に学費が高くなっちゃってるんですね。で、学費が高くなっている理由っていうのは、各地方自治体が完全に財政が破綻してるんで、お金が入ってこないからなんですよ。大学とかに。で、学費をどんどん値上げしてるんですけども。だから、まず息子の学費が払えないと。息子にはいい大学に入れてあげたいのにと。しかも、奥さんが妊娠しちゃって。この歳で。で、子供2人で4000万円なわけですよ。コストが全部で。

5.で、貯金が全然ないと。どうしよう?ってことで、『あっ、俺は化学の先生だ』と。で、いつも生徒に、子供たちは化学なんかに興味が無いわけですね。『化学っていうのは世の中のいろんな仕組みがわかるぞ。役に立つぞ!』って言っても、生徒たちから『なんの役にも立たないよ』って言われてるんですよ。バカにされてるから、化学は役に立つところを見せてやろう!ってことで、覚醒剤の密造を始めるんですね。

6.そっち方向に行くんですよ。で、覚醒剤っていうのはメタンフェタミンっていう物質なんですけど、これはエフェドリンっていう鼻炎カプセルとか風邪薬に入っている物質から抽出できるんですね。精製して。で、アメリカでは貧しいシングルマザ-とかがお金目当てで風邪薬とかをいっぱい買って、それを煮沸してですね、覚醒剤を精製してるんですね。アメリカでは。各地で。

7.それは質がすっごく悪いんですよ。ところがこのウォルトさんは化学の先生だから、抜群の覚醒剤を作ることができるんですね(笑)。

8.で、フラフラしている高校の卒業生をつかまえてですね、お前ちょっと俺と働けって言ってですね、2人で覚醒剤の密造を始めるんですけども。で、すごいいいものができるんですが、そうなると地元でその覚醒剤を売っているヤクザグループから目をつけられるわけですよ。

9.『俺たちの仲間に入れ』とかね。『入らなければ商売敵だから殺すぞ』って言われて。で、それが最初はチンピラみたいなグループだったのが、どんどん巨大なグループが。最終的にはですね、国際的なメキシコの麻薬ギャングまでが入ってくる。で、戦争になっていくんですね。

10.彼自身はちょこっとお金を稼いで子供たちに残して、ガンだから死んじゃうって思ってたんですけども。そうなる前に、もう巨大な、国際的な麻薬戦争に巻き込まれていくんですよ。っていう話が、このブレイキング・バッドなんですね。


11.これ、アメリカで大ヒットしたんですよ。これが大ヒットした理由っていうのは、まずやっぱりアメリカって稼ぎ手が病気になっちゃうと、それだけで一家が路頭に迷うっていう状況があるんですね。

12.ひとつは今、オバマケアっていうのをやってますけど、国民健康保険がないから、ものすごい負担になっちゃうんですね。ガンとかになると。化学療法とか。で、一家が破産してしまうというのと、稼ぎ手が死んじゃう。で、奥さんがシングルマザーになるっていうのが、ひとつの家族が貧困層に転落する最大の理由なんですよ。稼ぎ手が病気もしくは死んでしまうっていうのが。

13.そうなんです。別にね、『ウィード(Weeds)』っていうドラマもあってそれも人気なんですけど、それは本当に旦那が死んじゃって、奥さんが路頭に迷って。未亡人が。それでマリファナの栽培を始めるっていうドラマも人気だったんですよ。アメリカでは。

14.これがリアルなのは、いつ自分がそうなるかどうか、わからないんですよ。あなた病気だよって言われたら、もう一家どうなるかわからない。子供大学に入れられるかどうか、全然わからないと。で、普通に働いてても、学校の先生とかそういった年収500万前後だと、子供を一流大学に入れることはほとんど不可能になってるんですよ。アメリカは。

15.大変な事態なんですね。それは要するに、地方自治体が本当に崩壊してるからなんですけども。だからこのドラマ、ただとんでもないドラマっていうよりは、すごくリアルな、自分たちにも起こるかもしれないものとして視聴率が上がっていったらしいんですよ。

16.あとやっぱりね、アメリカって麻薬っていうとヘロインとかコカインやってるっていう風にみんな思ってるんですけども。日本の人はね。いま、覚醒剤がすごく蔓延してるんですよ。アメリカ。

17.で、これもね、ひとつの理由があって。覚醒剤をやる人たちっていうのは、ふざけた人たちじゃないんですよ。チャラチャラしてないんですよ。ほとんどがね、一生懸命働いてるんだけども、2つ以上の仕事を持っていないと生活できない人たちなんです。やっている人たちの多くは。だから昼間働いて夜、学校に行くとか、昼間働いて夜もウェイトレスやるとか。そういうことをやっている人たちは、もう眠くなっちゃうから覚醒剤をやるんですよ。

18.だから貧しければ貧しいほど、そういう世界に入ってくんですよ。だからすごく残酷な事態なんですよね。すごく多くやっている人はトラック運転手の人で、夜中じゅう走らなきゃなんないとか、あとシングルマザーの人も多いんですよ。実際に。2つ仕事を持って、昼間と夜で違うウェイトレスの仕事をしてるとか。そういう人が起きるためにがんばって覚醒剤をやっているとか。

19.相当不健全ですよ。アメリカは。だって大手スーパーとかで働いても、フルタイムで働いても年収200万切っちゃうんだもん。そういう状況ですから。だからまあ、こういうものが必要になってくるんですね。だからね、あらゆる意味で非常にリアルなアメリカを映してるんですけども。

20,ただね、それだけだとドラマがね、人気にならないんですよね。この化学の先生、ウォルトっていう人はすごい化学の能力を持っていて。昔、実はあるひとつの発明をしてノーベル化学賞を取るところだったのを、発明を盗まれちゃうんですよ。友達に。そのぐらい優秀な人だったのに、転落して中学の先生を貧しくやってたんで。そこで化学の力を爆発させて次々と自分に立ち向かってくる犯罪組織のヤツらをやっつけていくんですよ。

21.そうなんですよ。たとえば、『お前、俺のために覚醒剤を作るんだ!』とか言われて、作ってみせるんですけど、実は覚醒剤じゃなくて別の有毒ガスを作ってて。それで自分だけガスマスクをつけて、その有毒ガスで麻薬のボスをやっつけちゃったりするんです。

22.あと、要するに覚醒剤っていうのは結晶になってるんですね。氷砂糖みたいになってるんですよ。で、それを作ったと見せかけておいて、それをよこせ!って言われて、『あ、これ実は覚醒剤じゃないんだよ』っていうんですね。『これは雷酸水銀なんだ』って言うんですね。雷酸水銀っていう物質があるんですよ。これは、ショックを与えると大爆発するんです。で、相手が覚醒剤だと思っていたら、それをバーン!と天井にぶつけて大爆発とかね。

23,かっこいいんですよ。化学の技術を駆使してですね、犯罪組織と戦っていくんですけど。問題はその相手を殺しちゃうわけですから、今度死体の始末をしなきゃいけなくなるんですよ。で、今度は化学の知識ってことで、酸でですね、死体をお風呂場に入れて酸で溶かしたりするんですけど。

24.フル活用なんですよ。化学って役に立つなあ!っていう、勉強になるテレビなんですけど(笑)。子供に見せられないんですけど。酸でお風呂に死体いれて溶かしてたらね、酸が効きすぎてお風呂の湯船が溶けてですね、下の床も溶けて天井からドロドロに溶けた死体が降ってきたりするんですけど。

25.そう、無茶苦茶な。だから『冷たい熱帯魚』とか『凶悪』系のテレビなんですね。でね、これは大人気なんですよ。アメリカでは。やっぱり面白いんですね。ずっと続いて、今度第6シーズンで終わったんですけども。もうひとつ、問題が起こってきていて。自分の奥さんの妹の旦那さん、だから自分の義理の兄になるのか?ホワイトさんの義理の兄はDEAの職員なんですよ。DEAっていうのは『連邦麻薬取締局』なんですよ。だから毎日、家に来て飯食ったりしている義理のお兄さんが自分を追っかけだすんですね。ただ、彼は全然わかんないんですよ。『どうもこの地帯にすごい覚醒剤の王様がいるんだ。そいつはハイゼンベルクって呼ばれてるんだ』と。ハイゼンベルクっていう名前を名乗ってるんですよ。彼は。自分の本名を名乗れないから。『その麻薬王がいる。そいつを捕まえるのが俺の指名なんだ!』って目の前にいてご飯食べてるんですよ。

26.ただ彼は家族のために一生懸命やってはいるんだけど、やってること自体はいろんな人を苦しめる、覚醒剤を作っていることなんですよね。しかもそれを売る過程で、いろんな殺人も犯していると。どんどんどんどん罪が重なっていくんですよ。ただの高校教師だった彼に。で、最終回では一体、たくさん彼の上に積もった罪をどう贖うのか?っていうのが、全米の注目の的だったんですね。

27.それでみんな、どうするんだろう?どう決着をつけるんだろう?ってことでもって、最終回を見ようとしたんですよ。だからすごい視聴率になったんですね。

28.彼自身は悪い人じゃなくて、もうそこらにいる普通の人なんですよ。いつも怖がっているし。怖いことやりながら。で、なんか人が死ぬ度に本当に悲しむんですけども、そのへんでどんどんどんどん感情移入していくんで。視聴者たちが。これ、よく出来ててね。あとね、自分の麻薬の名前とか、自分のボスとしての名前をハイゼンベルクっていうんですけど。

29.ハイゼンベルクっていうのは不確定性理論っていうのを提唱した化学者なんですよね。これはね、ミクロの世界においてものを見ようとした時に、ものを見るっていうのは実は光というビームを当てて、それが反射して目に入ってくるもので見るんですよね。ところがミクロのものに光を当てると、それだけで当たったものに影響を与えちゃうわけですよ。だから、ミクロのものを観察する時には、純粋に観察することなんか出来ないんだっていうのが、その不確定性理論なんですよ。難しいけどそういう話があるんですね。ただ観察することはできないんだと。まさにこの主人公は最初、チャラチャラとした気持ちで、俺は化学の力があるから覚醒剤を売ればいいんだって思ったんだけども、やっぱりただそれだけじゃ済まなかったんですね。どんどんどんどん悪の道に引きずりこまれていって、どうしようもなくなっていくっていうのがね、ハイゼンベルクっていう名前に象徴されているんですよ。

30.やっぱりこうしなければ生きていけないアメリカっていうのも描いているから、みんな彼を責められないっていうですね。見てる人も。今ね、だってアメリカって政府、ストップするんですよ。アメリカ政府。だってみんなに健康保険、医療保険を与えるのはイヤだ!って言って共和党は政府をストップさせる!って言ってストップさせちゃうんですよ。貧しい人なんかに税金から与えるのは許せん!ってことなんですよね。

31.自分たちのことは自分たちで・・・みたいな考え方なんですよ。もうね、だからこれは本当アメリカならではのドラマだなと思いますね。


以上である。早速TSUTAYAで借りてみようと思う。

唐突だが、リバタリアンに余儀無くされてしまう米国社会の悲惨さを感じるが、他人事ではない。変なものを精製しようとはおもわないが、わたしも創意工夫はしないといけない状況にあるな、

次期大統領は、クリントンさんではなく、新たなモンロー主義者、トランプ氏になるかもしれないな、



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