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わが動的平衡とレジリエンスを信じる自立への橋頭堡

直腸がん、C型肝炎が完治し、これからが今までを決める、、という身の処し方を綴る
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折り返しの人生の意味

1.今朝、9歳5ヶ月になる長女が、
初めてオネショをした。
夢で、トイレに入ったらしい。可笑しい。

2.ある本の言葉
人生の意味なんて、見つけようとするな。
自己を掘り起こすな。
あなたが人生に絶望したとしても、
人生はあなたに絶望したりしない・・・。

さらに本の中で、鉄血宰相ビスマルクの言葉
「人生は歯医者の椅子にすわって
いるようなものだ。さあこれからが本番だ、
と思っているうちに終わってしまう」を載せて
いる。

わたしにとって大事な一冊、
V.E.フランクルの「夜と霧」に出てくる言葉だ。
「人生はあなたに絶望したりしない」

この言葉がずっと、ずっしりと残り続けた。
主語が「神」ではなく「人生」とあるのが
こころに響くのだ。

でも、その人生って何?

わたしの場合、
「主語としての人生」とは、
表層の意識や感情とは違い、
抽象度とともに解像度も高い、、
言葉による表現を超えるか超えないかの
限界値の言葉、、そんな定義でとらえると
ようやくしっくりしてくる。

3.先日、自分の出た小学校と中学校の周りを
歩き、その変貌ぶりに、がく然とした。

自分探しをしたわけではない。
ジブリの「思い出ぽろぽろ」みたいに、
ただ、懐かしさを求めたのだが、、

見事に裏切られた。

その変貌の印象は、良くはない。
学校近くにあった文房具屋も本屋も、
みんな消えて、記憶の中だけだ。

遠い昔の友人の家は跡形もない。
区画整理で、わからない、探せないのだ。


4.映画監督であり作家でもある西川美和さんの言葉
「長い言い訳」のインタビューに応えて、こう言われた。

(質問)自己中心的で愚かだった幸夫が、物語の最終章で“人生は他者だ”と思い至る場面は印象的でした。

(こたえ)書いている途中で”人生は他者だ”という言葉に行き着いて、私はこれを書こうとしていたんだな、この言葉が物語の軸になっていけばいいんだな、と気づきましたね。さらに、書き終えてから本の帯文を考える会議である人に、「若い人にとっては“人生は自分だ”なんです。そして、年齢を重ねるごとに“人生は自分だ”じゃなくて“他者だ”と気付いていくんですよ。」と言われてすごく腑に落ちました。この物語は、“人生は自分だ”と思っていた人間が、“人生は他者である”ということに気付いていく物語なんだな、と。

なるほど、フランククルの言葉と符合する。

ちなみに、小説「長い言い訳」のレビューを以下に。

妻の死に悩みもがく男の話。

誰であれ、大切に思う人の死を受けとめるには長い時間がかかる。悲しむ心の深さは自らでもわからず、時間をかける他にないからだ。

本長篇の主人公はテレビのバラエティ番組にも出演する人気作家だが、売れるまでは美容師の妻に頼ってきた。

ところが売れっ子の今では夫婦仲は冷え、若い編集者と浮気も。その最中、妻はスキーツアーのバスで親友と共に事故死。すると彼は、渦中の人となり、より発言を求められるが、果たして自分は妻を愛していたのか、妻は自分を愛していたのか、と思い悩む。

記憶と後悔、現実を知り、また悩みもがく。

だが、転機が訪れる。妻の親友の夫がトラックの運転手をしながらでは、四歳の女の子と小学六年の男の子の世話ができず、困っていることを知り、独りになった彼は子どもたちの世話を申し出る。やがて彼は家族の繋つながりを知り、心のなかに温ぬくもりを感じ始めるのだが……。

ここまでの粗筋でも分かる通り作者は、「嘘うそばっかり」書き綴つづって来た作家、いわば「虚業」の主人公に、体を使い働いてきた<労働者>の妻や運転手を対峙たいじさせ、主人公と同じように言葉によって、人の死を人間がどのように感受するのか、過程を描き出そうと試みる。それだけに章毎ごとに語り手を変えたり、主人公の日記を挿入したり、構成に視点の変化を与え、主人公の心理の動きを多角的に綴ってゆく。

 何故なぜなら彼を取り巻く人々には、妻であれ、愛人であれ、テレビ関係者や編集者であれ、各々おのおのがそれぞれの人生を生き、希望もあれば、挫折もあり、主人公への見方も違うからだ。
まして事故で肉親を失った者は、子どもも夫も生活の基盤さえ狂わされ、心理はより複雑である。

だからこそ作者は、主人公が家族の愛に触れたところで物語を終わらせない。更に彼を悩ます二つの事件を用意し、甘いハッピーエンドにせず、結末は苦い。しかし主人公の心の底に淀よどむ苦さは、読者の心に漂い消えないだろう。




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