2008/07/04(金) 20:00:22 [新薬・関連ニュース]
「肝炎研究七ヵ年戦略」の前に、
疫学研究について、どのように書かれているか、
というと・・・・・
「肝炎ウィルス感染者数の推計の基になるデータ収集を行い、
様々な行政施策の立案に生かされてきたものの、
その一方で、調査の偏在が見られ、
全国規模の研究が十分に行われていない。」
・・・・・・・・・
以下、私見です。
「十分に行われていない」ではなく、
ほとんどやってこなかった、というのが真相でしょう。
全く、論点として掲げただけの、逃げの文章です。
とりわけ、C型肝炎に限定した場合
日本に1b型の高ウィルス量の感染者は、
いったい何人くらいいるのか、
統計をとることは可能なはずなのに
一切やっていない、と推測できます。
というのは、肝臓病専門医の先生に、
このことをインフォームドコンセントとして、
私はよく問いかけてきたのですが、
誰一人、明解な答えを出される医者はおりませんでした。
つまり、肝臓専門の医者も知らないのです。
高ウィルス量の感染者数は推定値が見えてくれば、それ以外の、
つまり低ウィルス量の感染者数は
350万人から高ウィルス感染者数を引けば、
把握できてくるわけです。
前回も触れましたが、
低ウィルス量の感染者たちは、
根治の可能性が高いのですから、
統計とって把握することは重要と考える次第です。
2008/07/03(木) 21:31:25 [治療計画と未来予測]
前回の「肝炎研究七ヵ年戦略(案)」の続きです。
C型肝炎に絞って、掲げておきます。
1.C型肝炎の臨床研究
・ペグインターフェロンとリバビリン併用療法において、
難治症例である1b型の高ウィルス量症例以外では、
90%近くの根治率となっている。
(1b型ウィルスが、日本人の感染患者の70%を占めている)
・1b型の高ウィルス量症に関しては、
依然として50%にとどまる。
・特に高齢の女性への治療効果が相対的に低い。
・インターフェロンに対する副作用のための離脱者
および非適応者?が存在することが問題になっている。
2.C型肝炎の基礎研究
・困難といわれた培養細胞におけるC型肝炎ウィルス増殖系確立した。
・安定した動物感染モデルであるヒト肝細胞キメラマウスを作成した。
ヒト肝細胞キメラマウスとは、ヒト肝細胞を移植し、動物モデルとして開発されたマウスのことで、
これを用いて
C型肝炎ウィルスの増殖阻止の機序?を解明し、ワクチン開発の基礎が確立されたことになる。
・・・・・・・・・・
以下は私見です。
つまり、
低ウィルス量のC肝炎の方は、早期発見・早期治療さえ行えれば、
ほぼ完治(根治)するスキームが確立されたわけです。
私は厚生労働者はこの治療成果を一刻も早く、
エイズ広告ように予算をかけて、
たとえばTVの政府広報のような媒体で、
国民に、無料検査の案内と不安の払拭を伝える、
教育をすべきと主張します。
きちっと国民に伝われば、
350万人のC型肝炎患者は、
確実に減少していくのではないでしょうか?
なのに、その動きをとる気配は
この戦略案からはうかがえませんでした。
ちなみに、後期高齢者医療制度にしても、
名称の配慮のなさは、その通りのことなのですが、
その中身は、いい点もあったわけで、
むしろ、もっとも問題なのは、厚生労働省が、
法案成立から施行までの期間に、
やさしくTVで広報すべきだったのに、怠ったことです。
そう、2011年地上デジタル放送化のCMのように、
政府広報をやるべきだったのです。
いずれも厚生労働省が不作為であったことによる落ち度であり、
100%国に責任があります。
次回は本題の「七ヵ年戦略」について、記事にします。ではまた・・・・
2008/06/27(金) 19:46:31 [治療計画と未来予測]
ご無沙汰しております。さて今回は、
6月20日に、厚生労働省で行われた「第2回肝炎治療戦略会議」で記事に上げられた
「肝炎治療7ヵ年戦略(案)」について、数回に分けて記事にします。
上記の原文を読み、保存しておく価値は十分ある、と思います。
議事次第等含め、13ページからなる戦略案です。
B型肝炎、C型肝炎、肝硬変および肝がんについて、
詳細に提示されています。
1.研究の現状及び課題
2.7ヵ年戦略について
3.上記研究を進めるための基盤整備
4.戦略の評価と見直し
という項目を立てて、戦略が示されています。
さて、戦略案の概要に示された、次の言葉から、
並々ならぬ意気込みがうかがいしれます。
「今後7年間で、いまだ解明されていない肝炎等の
肝疾患の本態解明に迫り、 新たな検査法の開発や、
新規治療法の開発を
集中的に行い、 その成果を予防、診断及び治療に
に反映させるものとする。」として
「今後7年間で、肝疾患の治療成績について
B型肝炎の臨床的治癒率 約30% → 約40%
C型肝炎の根治率 約50% → 約70% 自覚症状のある肝硬変の5年生存率
B型肝炎由来 約25% → 約50%
C型肝炎由来 約25% → 約35%
進行性肝がんの5年生存率 約25% → 約40%
を目指す」と提示されています。
2008年から7年間、2015年までのスパンで、
治療成果を上げる決意を、国が示していると
見ることができます。
とりわけ
C型肝炎の根治率
約50% → 約70%は、
かなり自信のある数値なのでは、と想像させます。
座長の林紀夫氏(大阪大学大学院消化器内科教授)をはじめ
戦略会議メンバーの討議が深まり、
確実に進展することを心から願う次第です。
かつて私は、2015年が節目の年と、記事にしたことがありますが、まさに現実となってきたことになります。
次回(1週間以内)は、C型肝炎に絞って、戦略案の内容を記事にいたします。
2008/06/03(火) 20:26:22 [新薬・関連ニュース]
5月27日に、厚生労働省は、いよいよウイルス性肝炎(B、C型肝炎)に対して、「肝炎治療戦略会議」を設置し、初会合を開き、本腰を入れはじめました。
検討項目は
ア.B型肝炎・C型肝炎治療の現状と治療法開発の方向性
イ.肝硬変治療の現状と治療薬開発の方向性
ウ.新しいウイルス肝炎治療薬の開発に向けた基礎研究の方向性
とあり、新しい治療や医薬品の開発の支援に乗り出す、のだそうです。
21年度の予算に織り込むため、迅速に戦略が策定されていくことでしょう。
考えられる柱は、「三剤併用療法」の導入とその助成のはずです。
座長の林紀夫氏(大阪大学大学院消化器内科教授)は、これらの療法に造詣が深いと聞いたことがあります。
なんだか、ずいぶん前に書いた未来予測通りになっていると感じております。
2008/05/27(火) 12:42:59 [もろもろ雑駁な話]
毎年5月の第4週が肝臓週間だった、って私はそんな言葉も知りませんでした。
昨夜、再放送の
NHKのプロフェッショナルで、薬害肝炎訴訟の鈴木利廣弁護士が出ておられた。
TVで知るだけでしたし、鈴木先生が話しているところは見たことがありませんでした。
患者代表の方々のそばによりそうように映っておられた。
今回の番組で、先生ご自身が、セコンドのように、患者のみなさんそばに立つスタンスなのだ、と説明されていて、納得がいきました。
さらに、国の制度を変えないかぎり、根本的な解決にはならないという、ご判断に心からリスペクトです。
あらためて、350万人の肝炎患者の一人として、鈴木先生に感謝を申し上げたい。
鈴木先生、ありがとうございます。
引き続き、よろしくお願い申し上げます。番組の中で、先生はこう言われた。
「ここ二・三年が、肝臓ガン爆発のピークになる!のではないか。」
またこんなニュアンスのことも・・・
「基本的に医療行為、は、国の行政行為?と同じなのだから、国に責任がないなどとは言えない」
正確に聞き取っていませんでしたが、心の中で、怒りのような、はじけるものがありました。
やはり肝炎は
医原病だけではなく、国民に対して、他の先進国と同じような安全配慮義務を怠った、そのことによる
「官原病」なのだ、と。
2008/05/20(火) 19:15:27 [新薬・関連ニュース]
先日、グレープフルーツを食べることによって、HCV減少の働きがある、
という薬事日報メールをたまたま発見しました。
ハーバード大医学部の研究成果ですので、信頼できると思います。
以下、そのまま記事にいたします。
・・・
(2008年5月15日の薬事日報メール)
グレープフルーツに含まれるフラボノイドであるナリンゲニン(naringenin)にC型肝炎ウイルス(HCV)の感染細胞内での分泌を抑制する働きがあることが米ハーバード大学(ボストン)医学部の研究によって示され、医学誌「Hepatology」5月号に掲載された。
世界人口の約3%がHCVに感染しているとされるが、現在の標準的な治療薬であるインターフェロンとリバビリンが効果を示すケースは約50%にとどまり、重大な副作用の可能性もあるという。最近の研究からは、HCVがリポ蛋白(たんぱく)のライフサイクルに関連しており、リポ蛋白の代謝に影響を及ぼす化合物や栄養補助食品がHCVにも作用する可能性が示されていた。
今回の研究では、感染細胞が超低比重リポ蛋白(VLDL)に結合しながらHCVを活発に分泌することが示された。研究グループによると、感染細胞のアポリポ蛋白B(アポB)のmRNAをサイレンシング(過剰な遺伝子の発現をゲノムが自ら抑制する機能)すると、アポB-100およびHCVの分泌がともに70%減少するという。
研究グループはさらに、グレープフルーツに含まれるナリンゲニンについて試験した。過去の研究で、ナリンゲリンがVLDLの分泌を阻害することが示されている。その結果、ナリンゲニンが感染細胞のHCV分泌を80%減少させることを突き止めた。しかし、腸壁でのナリンゲニンの吸収率は低いため、治療量の投与には注射を用いるか、腸の吸収率を高める物質と併用する必要があるという。
研究グループはこのほか、ナリンゲニンをはじめグレープフルーツに含まれるいくつかの成分が顕著な薬物相互作用を示すことも指摘している。今後の研究では、動物モデルおよびヒト肝細胞の長期培養株を用いて、ナリンゲニンやほかの柑橘(かんきつ)類のフラボノイドがウイルス量を減らす長期的な効果について検討する予定だという。(HealthDay News 5月6日)
・・・・
これは、難治性肝炎患者の私にとって、ウレシイ話です。
何でも体に良いことは、すぐやってみることにします。とりあえず週三回以上食べてみますね。
2008/05/15(木) 18:52:45 [もろもろ雑駁な話]
半年放置していましたので、当サイトは、
大量のスパムもののコメントやトラックバックの巣窟と化していました。
で、昨日スパムを一掃していて、貴重なコメントも、うっかり消してしまいました。
すみませんでした。
中でも、S区にお住まいで、いい肝臓医をお探しの○○さんへ、
お手数ですが、今一度コメントをお寄せください。
その際、「管理者にだけ表示を許可する」にチェックをお入れください。
折り返し、メールでご連絡いたします。
2008/05/14(水) 02:50:17 [新薬・関連ニュース]
前回記事の続きです。
4月7日の日経新聞に載った、明るいニュースがありました。
実は、私はつい先日知ったという次第で、いかに自分が肝炎患者であることから遠のいていたことか、を感じた次第です。
多種ウイルス増殖抑制(新薬候補を発見)という大見出しがあり、概略は次のとおり。
東京医科歯科大学の萩原教授らのチームは、C型肝炎ウイルスやインフルエンザウイルスなど(RNA)「リボ核酸」ウイルス)の増殖を抑制する新薬候補物質を見つけた。
ウイルスに作用するのではなく、ウイルス増殖に関係する人の酵素の働きを抑えるのが特徴。
細胞実験段階だが、様々なウイルス感染症に対応できる薬につながる可能性がある。
(以下本文に続く)
開発した萩原教授や岐阜大学の鈴木教授、バイオベンチャーのキノファーマ(東京文京)のグループ。
RNAウイルスは人の細胞にRNAを送り込んでウイルスの増殖に必要なたんぱく質を作らせる。
一般の抗ウイルス薬はウイルス自体に作用する為、効果がでるウイルスの種類が特定されてしまう。 又、ウイルス変異にも十分に対応できない。
こうしたなかで、萩原教授らは人の細胞にあり、たんぱく質をリン酸化して制御する役割の「リン酸化酵素」に着目した。
ウイルスによって作られるたんぱく質が、人の細胞にある特定のリン酸化酵素の働きを活性化し、それによってたんぱく質の発現を促してウイルスが増殖することを解き明かした、のです。
そこで、独自に構築したリン酸化酵素のデータベースを元に、ウイルスに感染した際に活性化する酵素の働きを阻害する物質を分子量3百以下の低分子化合物「ARK」を見つけた。
C型肝炎ウイルスに感染した培養細胞を使った実験では、ARKを投与するとウイルスは増殖しなかった。
インフルエンザウイルスの場合でも増殖を抑制した。
動物実験で毒性はほとんど見られなかった。
ウイルス自体ではなく、人の酵素を阻害する仕組みの為、様々な種類や変異した場合にも効果がある可能性がある。
まずC型肝炎の新薬候補の可能性を探る。現在製薬企業と交渉中。
以上です。
C型ウィルス量が尋常でない私には、大いに希望が持てる話と判断しました。
この新薬を2009年に認可されるだろう三剤併用にプラスし、「カクテル療法」の導入ともなれば、難治性の壁は溶解していくのではないか、と思えるのです。
あらためて、難治性C型肝炎のみなさん!ぜひ私とともに、楽観主義で生きましょう!!
そこで来月、かかりつけのM医師の診察ですので、そのとき見解を訊くようにいたしますね。
では次回は、私の血液データについて記事にします。